馬体重が示す馬の状態

人間が馬を理解するための馬体重という手がかり

 

まず、”レースにおいて”注目すべきは「仕上がり」よりも「体調」。

レース時の馬体重というのは、「仕上がり」に関しての指標にはなるが「体調」とは基本的にそこまで密接ではない。それを踏まえた上で馬体重を加味したときの馬見のポイントを挙げていく。

 

# プラス体重のときは仕上がりを気にしたい!

疑問を持ちたい可能性として3つ

〇休み明けで調教不十分

〇休み明けではないが、中間を軽めの内容で済ませている

脚部不安で強めの調教が出来ていない

これらに該当しなさそうなものは、成長分などに落とし込む程度でそこまで気にしなくて良い。

 

では馬体重の「体調」への影響はいつ現れるのか?

→レース後

レース後に体調が悪くなるパターンは大きく2つ

1.メイチ仕上げの後

2.休み明けのレースをマイナス体重で走った後

(※曖昧さ回避:2021セントライト記念のオーソクレースの骨折休養明けのマイナス体重はノーザンFでかなり乗り込まれたものであり、間違いなく2戦目の方が弾けると判断できるため、ここでの休み明けは一般的な放牧明けの調整ミスと捉える)

*1について。例えばエアシャカール皐月賞を-8kgのメイチで出走し見事に差し切り勝ちを決めたが、日本ダービーではその反動が出て惨敗した。一見なんてことないような+2kgでものちに菊花賞で5馬身ほどつけて勝つアグネスフライトに差される結果に。また、その菊花賞は相当な追い切り過程を経てメイチで出走し勝ったが、その後のジャパンカップは-14kgで14着となっているようにメイチ後の反動が体調に影響が出るというのは一目瞭然だと思う。桜花賞皐月賞をマイナス体重で出走し相当なパフォーマンスで勝利した馬がオークス・ダービーでそこまで体重が変化していないのに惨敗するというのはこの関係もある。

*2について。こちらは単純で、基本的に休養前のレースでは体重も絞られベストな仕上がりの範疇であることが多いからである。そのため、休んだのにも関わらずそれよりマイナス体重で出走してきたときには「体調があまり良くないのでは」と注意した方がいい。 

 

じゃあ復調を確認するには?

→過去に馬体重が大幅に減ったレースの"前走時"の馬体重に戻っているときが復調のサイン。(例:95年有馬記念とその後のナリタブライアン)